最近街を歩いていると、「何これ?」という文字の羅列にしばしば遭遇します。母国語が読解できないなんておかしな話です。これの起因となるのが「略語」の存在です。現代は略語で溢れかえっています。
略語の都合の良いところは、それが何を略しているか分かっていなくても、それそのものの実体を認知できていれば、言葉として理解し、使用する事ができるという点にあります。
だからこそ略語になる前の言葉を知らない人が多く、知っているだけでちょっと鼻を高くできると思い、日常的に頻出する代表的な略語の正式名称を挙げていこうと思います。
ー食べ物編ー
◯食パン→主食用パン
日本でパン文化が広がる以前、海外ではこれが主食であるというイメージが強く、主食用パンとして広まったと言われています。
◯モスバーガー→Mountain Ocean Sun burger
モスバーガーの「モス」の部分は、「山のように気高く堂々と、海のように広い心で、太陽のように燃え尽きることのない情熱をもって」という意味を持つらしいです。よくわかりません。
◯ペペロンチーノ→アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
イタリア語でアーリオがニンニク、オーリオがオイル、ペペロンチーノが唐辛子という意味です。
ペペロンチーノと注文するとイタリアでは唐辛子が出てくるでしょう。イタリアではペペロンチーノは「アーリオ・オーリオ」と表記されることが多いそうです。
◯チューハイ→焼酎ハイボール
甲類焼酎を炭酸で割ったものを正式にはチューハイと呼ぶのですが、現在では焼酎よりコストの低いウォッカ等をベースにしたお酒もチューハイと呼ぶようになり、定義は非常に曖昧です。
ー施設、乗り物編ー
◯カラオケ→空オーケストラ
元の意が転じて、事前に録音した楽曲を再生・操作する装置のことを「カラオケ」と呼ぶようになり、生演奏にあわせることを「生オケ」と呼ぶようになりました。
◯プレハブ→プレファブリケイティッドハウス
そのまま日本語訳すると「事前に作られた家」といったところでしょうか。よく考えればプレハブという言葉をそもそも使う機会が少ないので、覚える必要はないのかもしれません。
◯バス→オムニバス
バスという言葉は、実は「オムニバス」の略語です。もともとはラテン語で「全ての人のために」といった意味の言葉でしたが、大人数で乗れる「乗合馬車」という現代のバスのような乗り物が誕生したことがきっかけで、「乗合馬車=オムニバス」となりました。
ーその他の生活用語編ー
◯経済→経世済民(けいせいさいみん)
経済は「経世済民(けいせいさいみん)」という言葉が省略されたものです。「経世済民」には「世の中をよく治めて人々を苦しみから救う」という意味があります。
◯ポールペン→ボール・ポイント・ペン
ボールペンの正式名称は「ボール・ポイント・ペン」です。ボールペンという言葉は英語のように聞こえますが、実は和製英語のため海外では通じません。構造上ペンの先に小さいボールがはまっていることから「ボール・ポイント・ペン」と名付けられ、日本ではボールペンと省略されるようになりました。
◯レーザー→ ライト・アンプリフィケーション・バイ・スティミュレイテッド・エミッション オブ・ラジエーション
覚えられたら凄いです。それぞれの頭文字をとってLaserと呼ぶようになったそうです。日本語で訳すと「誘導放出による光の増幅」という意味になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。略語は非常に便利な言葉遊びですが、元の言葉を知ることで何か発見やひらめきが生まれることもあるのでは。と考えていましたが、どうやらそんなことは無さそうです。
ウザがられない程度に友人に自慢してみましょう。
(ウザい→うざうざ 江戸時代に多く使われていたうざうざという擬態語を形容詞化したもの)
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